F1界で「電気自動車レース」構想

2011年6月25日
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小林可夢偉の大活躍により、国内でも久々に注目を集めているF1。とはいえ、CO2排出の問題などから、自動車レース全体に対する風当たりが強くなっていることや、自動車産業自体の低迷により、F1の先行きを不安視する意見も増えている。

そこで登場したのが、FIA(国際自動車連盟)会長ジャン・トッドが示唆した、13年の開催を目標とする、電気自動車(EV)によるレースシリーズの立ち上げ構想。日本でも、三菱自動車の社長が参戦に積極的な姿勢をみせるなど、話題を呼んでいるようだが…。果たして、EVレースはF1にかわる存在となれるのだろうか? 

「トッド氏の談話は、13年からスタートする、欧州での自動車に対するCO2排出規制強化を意識したパフォーマンスでしょう。実際のところ、EVレースがF1のレベルに達するまでには、あと数十年の歳月が必要になると思います」

と語るのは、日本電気自動車レース協会(JEVRA)事務局長の富沢久哉氏。市販車への技術転用を考えると、EVレースは速度重視のF1よりも、ル・マン24時間のような耐久レースが当面の目標になるだろうという。

「現在のEVはモーター、バッテリーともにレース向けとしては発展途上の状態。JEVRA主催のレースでも、50kmの距離を平均速度90kmで走るのが限界です」

とはいえ、それでも日本のEVレースのレベルは国際的にもトップクラス。現在は「プライベーター」と呼ばれる個人チームの参加がメインだが、三菱や日産などメーカー側も、積極的にレースに参戦したい意向があるようだ。これまでの自動車レースが、発展の過程で市販車に転用できる技術を多数生み出してきたように、EVの将来にとっても重要な存在となるだろうEVレース。進化の起点に立ち会えるという点でも、非常に興味深い存在といえそうだ。
(R25編集部)

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