コージェネでCO2排出量削減と省エネを実現、再生エネの補助にも活用

2011年6月14日
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計画停電の心配無しだった六本木ヒルズ
 前回、高効率の発電方式として、ガスタービンコンバインドサイクル(GTCC)を取り上げた。ガスタービンにより発電を行い、その排熱を利用して蒸気タービンでも発電する方式だ。

 ガスタービンに限らず、ガスエンジンなどの内燃機関、蒸気ボイラーや蒸気タービンなどを用いて、発電時の電力だけでなく熱を利用し、エネルギー効率を高める方式のことを「コージェネレーションシステム(コージェネ)」や「熱電併給」と呼ぶ。英語では“Combined Heat and Power”(CHP)とも呼ばれる。

 ガスや石炭などの燃料を燃やした際に発電機はその熱エネルギーの約40%を電力に変換できる。残り60%は以前であれば、そのまま捨てられていた。コージェネではその熱エネルギーを回収し、そのまま利用する。

 一般的に発生電力は電力会社の系統と連系し供給され、廃熱は廃熱投入吸収冷温水機によって冷水に変換されて冷房に利用したり、あるいは熱交換器を介して暖房や給湯に用いられる。

 全体でのエネルギー変換効率は74~80%程度と高く、省エネルギー効果(1次エネルギー換算)、CO2削減効果が見込まれる。ただし、建物の種類によって、電力需要と熱需要の大きさの比率が違うことから、施設ごとに向き不向きがある。民生用では病院(介護施設含む)、商業施設、地域冷暖房、ホテルなどが有望な分野だという。

 地域冷暖房に利用している例として有名なのが六本木ヒルズだ。森ビルと東京ガスが共同出資した、六本木エネルギーサービスが六本木ヒルズで使用される電気と熱を供給している。ヒルズ地下の施設には6360kWの蒸気噴射型ガスタービン6台、蒸気ボイラー10台(合計 79.6t/h)などが備えられている。

nikkei BP NET


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