バイオマスの利活用に関する政策評価<評価結果及び勧告>

000000014平成23年2月15日

ポイント
 総務省行政評価局は、「バイオマス・ニッポン総合戦略」(平成14年12月27日閣議決定、18年3月31日改正)及びこれに基づくバイオマスの利活用に関する政策が、総体としてどのような効果を上げているかなどについて、初めて政策評価を実施
(注) 「バイオマス」とは、再生可能な生物由来の有機性資源。食品廃棄物(生ごみ等)、家畜排せつ物、林地残材、稲わらなど
 バイオマス利活用施設の設置数の増加など、バイオマスを利活用するための環境が整備されつつある。
 しかし、調査の結果、(1)政策全体のコスト(決算額)、(2)バイオマス関連事業の効果(アウトカム)、(3)バイオマスタウン構想の進捗状況、(4)バイオマスの利活用現場(バイオマス関連の施設)におけるCO2削減効果等、政策の有効性や効率性を検証するためのデータがこれまで十分に把握されていなかったことが明らかになった。
 当省が、本政策評価でこれらの事項を把握・分析した結果、以下のような課題あり
 バイオマス関連事業について、バイオマス関連の決算額が特定できたものは214事業中122事業(57.0%)の1,374億円(平成15年度~20年度)。残り92事業の決算額は関係省において特定できていない。
 また、効果が発現しているものは214事業中35事業(16.4%)。これらについても、国の補助により整備された施設の稼働が低調なものが多いなど、期待される効果が発現しているものは皆無。さらに、バイオ燃料の製造施設に対する補助事業を3省でそれぞれ実施するなど、複数の省や部局が類似の事業を実施しており非効率な例あり
 バイオマスタウン構想に掲げる取組(785項目)のうち、構想どおりに実施されているものは277項目(35.3%)にとどまる。また、目標の達成度を測るバイオマス利用率の変化について、全てのバイオマス原料を把握しているのは90市町村中15市町村(16.7%)にすぎない。
 バイオマス関連施設について、CO2収支を把握しているものは132施設中3施設(2.3%)。また、CO2収支等4項目のCO2削減効果について、学識経験者の知見を得て当省が試算した結果、全ての試算項目において効果が発現しているものは77施設中わずか8施設(10.4%)
 これらの課題を改善するため、平成23年2月15日、関係6省(総務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省)に勧告

総務省


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