アウトドア遊びは健康にいい

2011年4月15日graph

自然の中にいると、気分が落ち着いたり、すっきり爽快になる気がするけど、実際のところ、アウトドアでの活動は、体と心にどんな効果があるのだろう?

35~56歳の男性12人が森林環境に2泊3日滞在し、森林遊歩道の散策などを実施し、人間の免疫予防や感染症の防止にかかわるナチュラルキラー(NK)細胞の活性を調べた。森林浴から1日後、NK活性の有意な上昇が見られ、その効果は30日後も持続した。(データ:Int J Immuno pathol Pharmacol,21:117- 27, 2008)
 赤坂溜池クリニックの降矢英成院長は、「自然の中では天然のアロマテラピー効果が得られたり、風や土の感触を感じることなどで五感が刺激され、人間本来の機能が活性化する」と説明する。実際に、森林浴をすると免疫力がアップし、その効果は30日後も続くという報告(右グラフ)があるほか、「標高1000m前後の高原では、自律神経のうち副交感神経が優位になることがわかっている」(降矢院長)。

 スポーツメディカルアドバイザーの湯本優さんは、「都市で行うより、自然の中で行う方が運動効果が高く、体に与えるストレスも全然軽い」と指摘する。

 特に、有酸素運動が何時間も続く登山は、ダイエット効果が抜群。編集部で行った実験(詳細は18日掲載の特集第2回)では、初心者でも登れる5~6時間の日帰り登山でも、ハーフマラソンを超えるカロリーを消費することがわかった。達成感と爽快感を得やすいのも登山の魅力。体力に余力がある人は、ぜひ休日を山で過ごしてみて!

 一方、アウトドアには興味があるけど、休日はのんびりしたいという人にお薦めなのが、自然のリズムをゆっくりと感じられるキャンプ。体内時計が乱れていたり、仕事のストレスを休日にも引きずりやすい人もキャンプに出かけると、気持ちがリラックスして、夜型が朝型に切り替わるなど生活リズムが整いやすいことが実験で確認できた(詳細は20日掲載の特集第4回)。

 1回の体験でもある程度の効果は得られるが、リピートすることでアウトドア活動から受ける恩恵はさらに大きくなる。「身近な場所でもいいので、月1回は出かけるようにしよう」と降矢院長はアドバイスする。

日経ウーマンオンライン