備前市久々井の大鵬薬品工業岡山工場が敷地内に整備していたビオトープ(動植物の共生空間)が完成した。製品の製造過程で発生する工場排水を有機に富んだ水に変えて海に流すことで、環境に優しい構造にした。
ビオトープは同工場敷地内北側の遊休地2300平方メートルを活用。全長300メートル、総水量100トンの“川”を整備。田んぼの土やタニシ、コイ、メダカなどを入れたほか、アヤメやオリーブなどの草木約300種類を植えている。工場から出た冷却水や瓶の洗浄水を流す。
工場で使用した直後の水は約40度あり、水質も純水のため、そのまま排出すると生態系には好ましくない。このため、ビオトープを経由させることで水温を下げ、田んぼの土や生き物によって有機に富んだ水へと変え、自然に近い形で海に排水することにした。
これまで冷却水や瓶の洗浄水は下水処理していたが、水質自体も「水道水と同等以上」(同工場)のため、有効活用できないかと2008年9月ごろから検討。今年1月に着工していた。
下水からビオトープへの切り替えにより、年間23トン分の二酸化炭素(CO2)削減につながるという。
平日の午後1〜3時に10人以上の見学を受け付ける。要予約。問い合わせは同工場岡山総務課(0869-64-4527)。
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