2011年01月15日
寝具で山林再生を-。南アルプス市上宮地の「榊工業」(横内靖英社長)は、杉やヒノキなど間伐材の削りくずを利用した寝具開発に取り組んでいる。枕などの材料となる綿やビーズに代わり「消臭効果があり、通気性が良く、木のぬくもりが癒やし効果を与える」(横内社長)という木材の削りくずを使用。間伐材利用促進による山林再生を目指し環境や健康に配慮した寝具としてPRしていく考えだ。
横内社長は、建築業者として木材を取り扱う中で山林の荒廃に危機感を募らせたという。「水や空気などさまざまな恩恵を与えてくれる山林を守りたい」との思いから、間伐材を使った商品開発を模索し始めた。
寝具の素材は主にヒノキで、杉とヒバの商品もつくる予定。一般家庭用のほか、介護施設や葬儀分野への販売展開も想定している。インターネット販売などを計画中で、5月上旬の販売開始を目指している。要望に応じた大きさ、高さの枕の製作も受け入れる考えだ。
枕は2、3カ月を目安に取り換える使い捨てタイプ。縦33センチ、横54センチの枕約110個で、長さ約10メートルの木材1本が必要になるといい、商品の循環と間伐材の利用促進を連動させる。生地内の素材は木材のため、畑などに捨てても土に返るという。
横内社長は「間伐材の利用先が課題になる中で、この寝具の需要が高まれば間伐を促進することができる。消費者に商品購入による環境への貢献をPRし、山林再生を図っていきたい」と話している。
<山梨日日新聞 2011.01.15.>