音色柔らか筑波山コカリナ 地元有志がヒノキ間伐材活用

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筑波山で間伐されたヒノキから「コカリナ」が生まれた。ハンガリーの笛を改良した小さな木の笛。森づくりのために間引きした木の活用で、やわらかな音色が特徴だ。地元の関係者は「子どもたちに吹いてもらい、筑波山にコカリナの音を響かせたい」と夢を語る。

 筑波山神社などの山林では毎年多くの間伐材が出る。「もったいないし、再利用ができれば時代の要請にも合う」。地区の区長を務める齋藤靖夫さん(68)=つくば市筑波=らが神社の了解を得て動き始めた。

 制作は、日本コカリナ協会の公認制作者で木工作家の設楽晴男さん(59)=石岡市佐久=が担当。9月に最初の作品を完成、これまでに30個余り作った。直径が約2.6センチ、長さが約8センチの大きさで、木の節や筋が浮き出ている。「ヒノキは軟らかいので作りやすい」という。

 このコカリナは筑波山神社の11月の「御座替祭」でも演奏された。参加した筑西市のコカリナ公認講師大久保くみさん(50)は「しっとりした何となく落ち着く癒やしの音色です」と話す。

 「まだできたばかりですが、筑波山を眺めながら育った地元の子どもたちに広がり、演奏してくれるようになればいい。課題は値段が高いこと。子どもたちのためにも何とかできないかなあ」と齋藤さん。

 間伐材は、森づくりのために切られた木。コカリナだけでなく、ほかにも筑波山らしい木工品に利用できないか。齋藤さんは考えている。(土田芳孝)
<asahi.com My Town 茨城(2010.12.9)>


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