所有者不明の森林、4万ヘクタール

保全・管理に支障の恐れ
 道内で所有者を特定できない森林が約3万9000ヘクタールあることが、24日の道議会水産林務委員会で報告された。道内の森林面積の0・7%に当たるという。所有者が分からないと、計画的な森林整備に支障が生じ、森林保全の管理が行き届かなくなる。道は登記簿謄本を確認するなどして実態把握に努める考えを示した。小野寺秀氏(自民党・道民会議)の質問に答えた。

 道水産林務部によると、森林所有企業2141社にアンケート調査を実施したところ、913社(森林面積約1万4000ヘクタール)があて先不明で返送された。また、原野商法などで細分化して分譲された森林約2万5000ヘクタールも、所有者を特定できていなかった。

 また、海外の企業や個人が所有する森林は、9月に公表した406ヘクタールから増え、820ヘクタールに及ぶことも、同委員会に報告された。

 道は危機管理の観点から、こうした森林と、自衛隊施設や警察署との距離も調査。所有者を特定できない森林の579ヘクタール、海外資本が所有する森林の109ヘクタールは自衛隊施設などの3キロ以内にあることを明らかにした。

 水産林務部の野呂田隆史部長は同委員会で、「道民が不安や懸念を抱くことのないよう、水資源の保全や危機管理などの観点から、森林の適切な整備と管理に努めていく」と述べた。
<読売新聞(2010.11.25)>


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