女子目線で林業を考える高知県内組織「林業女子会@高知」がこのほど誕生した。2010年に京都市で初めて設立された「林業女子会」の高知版。国内外24組織目で、20~50代の13人が所属する。高知県高岡郡仁淀川町で林業を学ぶ多田千尋さん(25)=山形市出身=が代表を務め、「木に関心ある人なら誰でもOK。女子の力で森を元気に」と呼び掛けている。
林業女子会に本部はなく、山師や学生、主婦、木材や建築に関わる人などメンバーの職業はさまざま。フリーペーパー発行やイベント開催、里山整備など組織ごとに活動が異なり、昨年は海外部も誕生した。
多田さんは1年前に仁淀川町に移住。以前は「―@山形」に所属し、「高知でも林業女子の居場所を」と会員制交流サイト(SNS)で呼び掛けた。
それに応えたのが京都大学大学院在学中に「―@京都」を立ち上げた井上有加さん(31)=滋賀県出身。今年6月、夫の出身地安芸市へIターンした井上さんは多田さんと意気投合し、8月11日の「山の日」に「―@高知」を結成した。
先月中旬には、四万十町で建設・林業会社を夫妻で営む副代表の浜崎康子さん(44)=同町興津=の招きで初のツアーを開催。高知自動車道「窪川佐賀道路」予定地の伐採現場などを視察した。
安価な輸入材の影響などで全国の林業従事者は年々減少。林野庁によると、1960年の約44万人から2015年には約4万8千人に。女性従事者も激減したが、近年は山仕事に携わる女性が徐々に増えているという。
浜崎さんは「女性が働きやすい環境は男性の働きやすさにもつながる」と強調。「どうすれば育休や産休が取りやすくなるか女性のアイデアを現場に反映させたい」と話す。
「―@高知」で広報を担当する井上さんは「転勤先の女子会に移ることも可能。どこへ行っても通じ合う仲間がいる。そんなプラットフォームにしたい」と話す。問い合わせは「―@高知」のフェイスブックへ。(横田宰成)