林業従事者らが集まったよさこいチーム「めごみ」が高知県吾川郡仁淀川町に誕生し、2016年夏、高知市のよさこい祭りに初出場する。メンバーは「『山で働く人たちの魅力』をアピールして、林業振興につなげたい」と熱い思いを抱いている。
代表は、木材伐採を行う明神林業=仁淀川町上名野川=で事務員を務める岡渚さん(36)。高校生までは毎年のように踊り、結婚や育児を機に遠ざかっていたが、2014年4月に入社してから“よさこい熱”が復活した。
片岡博一社長(50)に「祭りに出てみたい」と相談。「社員や林業関係者の意識高揚になるなら」と二つ返事で支援の約束を取り付け、2015年秋から準備にかかった。
岡さんが入社した当時、社員は片岡社長を含め3人だったが、木材搬出量の増加に伴って社員は7人に増えた。仁淀川町周辺でも林業従事者は増加傾向で、片岡社長は「若者同士が交流できる場にもしたかった」と話す。
岡さんには「林業について、多くの人に知ってほしい」という思いがある。当初は「杉とヒノキの違いも分からなかった」が、働くうちに「山の奥深さを知った」からだ。チーム名「めごみ」は、年輪が細かく刻まれた良質な材を意味する「目込み」に由来する。
「目が込んだ材は、手入れが行き届いた山でできる。山に関心を持つ人の輪が、年輪のようにじわじわ広がれば、林業を核とした地域活性化につながる」と岡さんは期待する。
振り付けや衣装などの準備は進んだものの、踊り子がまだ約20人と人集めに苦戦している。祭り本番最終日の8月11日が祝日「山の日」であることも念頭に、岡さんは「山と縁のあるチームで踊りませんか」と呼び掛けている。問い合わせは岡さん(080・2971・7320)へ。