林業に理解を深めてもらうシンポジウム「美しい森の国」が25日、大阪市北区の近畿中国森林管理局で開かれた。主催者で一般社団法人「いい家塾」塾長の釜中明さん(73)が基調講演し、「素晴らしいメード・イン・ジャパンの木をもっと活用してほしい」と呼び掛けた。
基調講演で木材の魅力を紹介する釜中塾長=25日午後、大阪市北区の近畿中国森林管理局
釜中さんは、鉄、コンクリート、木を比較し、「一番熱に強く、腐りにくく、安全なのは木」と木材の優位性を強調。また昨年11月に出版した『いい家塾の家づくり』(JDC出版)から、「1/fのゆらぎという自然界のリズムが私たちの生活に非常に重要」と解説した。
日本の家屋の平均寿命が「26年」といわれていることに触れ「新築、リフォーム、建て替えをワンセットにした住宅メーカーの戦略」と批判し、「自然素材の健康住宅、100年住宅で、個人経済を豊かに、良き家族制度を復活するべきだ」と持論を述べた。
シンポジウムでは森林組合の関係者や建築士、美術活動家ら識者をパネリストに迎えた座談会も開かれ、訪れた参加者は木材を使った家づくりや森林の保全について学んでいた。