檜原の木 暮らしに活用 新生児に「ぬくもり」の玩具贈る【東京】

PK2014121902100013_size0村の面積の93%を山林が占める檜原村は18日、木製品を暮らしに生かす「ウッドスタート宣言」の協定を、東京おもちゃ美術館(新宿区)と結んだ。まずは新生児に木のおもちゃを贈る事業を開始。今後は村内の林業事業者や林野庁などと協力し、檜原産材で作ったおもちゃを地域振興に生かす「檜原村おもちゃビレッジ構想」にも取り組む。 (村松権主磨)

おもちゃ美術館が全国で展開するウッドスタートは、子育てや生活環境に木製品を取り入れて木の魅力を感じてもらい、国産材の消費拡大と森林保全を目指す。新宿区や岐阜県美濃市などの自治体、良品計画といった企業が参加。地元産の木を使ったおもちゃを新生児に贈ったり、木を使った施設の整備などをしている。

十番目の自治体となる檜原村の調印式は村役場で開かれ、坂本義次村長は「子どものころから木に触れることで共生が図られる。村としてウッドスタートの活動を日本中に広め、充実した生活のお手伝いをしたい」とあいさつ。おもちゃ美術館の多田千尋館長は「宣言をスタートに、檜原村で魅力的な取り組みが出ることを期待する」と話した。

新生児へのおもちゃプレゼントは、昨年四月以降に生まれた子どもが対象。調印式には五組の親子が出席し、村内の職人が檜原産材で作ったおもちゃが贈られた。今年七月に生まれた次女を連れた高木美智子さん(36)は「檜原村の小学校や保育園は木が多く使われ、わが家も木造。木に囲まれた暮らしは温かみを感じられていい」と話した。

調印式の後、林野庁と都の関係者、大学教授らも参加して「木育円卓会議」を開催。「檜原村おもちゃビレッジ構想」について、おもちゃや家具の工房、美術館を整備し、産業振興や観光に役立てるイメージが報告され、事業の可能性や構築方法、収益の確保といった課題を話し合った。村は今後、定期的に会議を開き、具体的な取り組みを詰める方針。

東京新聞 WEB