森林セラピーで企業向けにメンタルヘルス  【鳥取県智頭町】

04-1ストレス解消やコミュニケーション能力向上

鳥取県智頭町の「森林セラピー」で、企業研修向けのプログラムが設定されている。セラピーに加え、間伐体験や民泊を組み込み、コミュニケーション能力の向上や森の癒しによるストレス解消などを図る。

町面積の9割以上を森林が占める智頭町では2011年に森林セラピー基地をオープン。鳥取砂丘を形成した千代川の上流部にあたる芦津渓谷周辺に3つのセラピーロードが設定されている。針葉樹と広葉樹の混交林で、免疫機能を高めるフィトンチッドが分泌され森林浴効果が高い。個人客のほか旅行会社ツアーでの利用も少なくない。

その中で、町が注目したのは企業向けのメンタルヘルスケア。労働安全衛生法の改正で、労働者の精神的健康を把握することを企業に課す動きが本格化している。前年度には大手企業数社が実際に社員研修を行った。

智頭町が企業向けに用意したのは「気づきと折れない心を作る森林セラピープログラム」。1泊2日と日帰りのプランを設定している。

プログラムには、コミュニケーション能力アップとしてグループによる間伐体験、ブラインドウォークや背面歩行など五感を刺激しながら森を歩くことなどが組み込まれている。間伐体験は共同作業での達成感のほか、普段使わない筋肉を刺激することで精神的な高揚感を得るねらい。間伐体験以外にも農作業やネイチャーゲーム、葉っぱアートなどに変えることも可能。昼食は、町の特産を生かした手づくりのセラピー弁当を食べる。

1泊プランでは民泊を利用する。スローフードを食べ、受け入れ民泊の家族とともに過ごすことで第2の田舎づくりにつなげる。実際、滞在中に心情を吐露することで気持ちが楽になった研修参加者もいるという。

企業研修向けプログラムの料金は1泊2日で5人以上の場合、1人1万9500円。日帰りは同9800円。

問い合わせは、智頭町森林セラピー協議会 電話0858―76―1111。

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