大正から昭和初期の四国の林業現場で撮影された珍しい写真を集めた企画展「林鉄と山の暮らし-局長室の保存写真から-」が、高知市の四国森林管理局で開かれている。総延長が国内最大級の高知県の魚簗瀬(やなせ)森林鉄道や、山里で暮らす林業従事者の風景など、約80点を展示した。来年1月9日まで。
公開された写真は、同管理局の前身である高知大林区署や高知営林局の職員が1921(大正10)~34(昭和9)年に高知、愛媛両県などで撮影した。局長室の書棚で眠っていたのを新木雅之局長が昨秋見つけ、「後世に残したい貴重な写真」とデジタル処理をして復元した。
魚簗瀬森林鉄道は11年の開業で、遺構は国の重要文化財に指定されている。蒸気機関車が普及する前は、トロリーで坂の勾配を利用して木材を搬送。帰りは空のトロリーを犬に引かせて戻した。また、大勢の林業従事者の子弟が山里の学校や託児所に通った。企画展ではこうした当時の様子をしのぶことができる。(2013/12/10-11:13)