地産木材で学校の教室づくり サカワ、自治体向け提案へ

国内産木材を使う流れを先取りし、売り上げも上げている企業があるようです。

黒板製造のサカワ(愛媛県東温市、坂和寿々子社長)は自治体に対し、地元産の木材による教室づくりの提案を始める。自治体の近くの産地から切り出した木材を市場で仕入れ、黒板や校舎の構造材、教室の間仕切りなどに加工して納入する。学校などの公共建築物で国産材の利用を促す木材利用促進法が年内に施行されることに対応する。

 入札による価格競争が厳しいなか、仕入れ原価が高い国産材に限定した商品提案は珍しいという。2011年6月期の売り上げ目標は15億円。

 黒板や木構造材のほか、間伐材でできたロッカー・掃除具入れ、木製掲示板など28品目の「これからの学校」シリーズをこのほど商品化した。

 銀抗菌セラミックスを含むホーローを張った壁材「抗菌ホーロー」、シックハウス症候群の原因物質透過を防ぐため炭を塗布した板材「モクスミー」などは同シリーズのため新たに開発した。

 8日から東京ビッグサイト(東京・江東)で始まる学校関係者向けの展示会「教育ITソリューションEXPO」への出展を機に、同シリーズの提案営業を本格化する。

 東京や大阪で開かれる展示会に年2~3回程度出展するなど、自治体関係者との接点を増やす。

 JR品川駅前に12日に移転新設する予定の東京支店は、同シリーズを紹介するモデル教室を設ける。

 木材利用促進法は、自治体などが発注する3階建て以下の公共建築物の建設で国産材の活用を推進するよう求めている。

 自治体が入札要件のなかに「地元産材を使用する」といった項目を盛り込む公算が大きく、同法施行後は国産材を使った学校の建設が従来よりも大幅に増える見通しだ。

 同社は従来、黒板や構造材の材料に東南アジアなど海外で仕入れた木材を使用することが多かった。

 学校や病院をはじめとする公共建築物の材料で国産材への切り替えが進むとみて、調達先を早めに国内産に移行する。

 原材料に占める外国産木材の比率は、現状の7割程度から、2011年6月期は1割程度まで引き下げる方針だ。

 ご当地材を生かした教室づくりに取り組むため、材料は原則として納入先の自治体近くの原木市場で調達する。例えば、愛媛県内の場合は、久万広域森林組合(久万高原町)から仕入れる。

 サカワは黒板と木構造材などを製造販売しており、2010年6月期の売上高は10億円。従業員は30人。最近は、電子黒板を全国の小中学校に納入している。


日本経済新聞(2010.7.8)より抜粋


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