人が手入れをしなくなり、荒れてしまった里山をよみがえらせようと、松阪市の森林ボランティア団体「ぽんぽこ山」(上村眞由代表)が、松阪市柚原(ゆのはら)地区で「Project(プロジェクト)野鳥の森」を始めた。荒れた森を整備し、今後5年間で、野鳥が飛び交う森に再生する計画。将来的には、子どもを対象にした森林学習会を開くなど、自然を体感できる憩いの場を目指している。(沢村宜樹)
ぽんぽこ山は、1998年4月に地元住民やボランティアらで結成。これまで、松阪市内の森林を整備し、野鳥が好きな花や果実のなる樹木を植えたり、ヒノキを伐採して東日本大震災の被災地にいかだ製作用として送ったりするなど、幅広く活動を続けてきた。
今回整備に取り組むのは柚原町の4・19ヘクタールの民有林。計画では、多くの種類の樹木、昆虫、小動物、鳥類が生息する森林を目指し、邪魔な竹を来年3月までに取り除く。続いて、スギやヒノキの、間伐を始める。
間伐した木は、シカやイノシシの侵入を防ぐための防止柵として再利用。さらに、2015年度からは広葉樹を植える。
竹の伐採は4日から始まった。森の中は繁殖力の強い竹が生い茂り、地面に光が届かないほど暗く、メンバーはチェーンソーとノコギリ、ナタで汗をかきながら作業を続けた。
上村代表は「里山ではかつて、薪(まき)や肥料を生産していた。一度人の手が入った里山は、人が最後まできちんと整備する責任がある。たくさん生き物がいる『健康な山』にしたい」と意気込んでいる。
プロジェクトは、森林を守るために地域住民が中心となって進める活動を支援する林野庁の「森林・山村多面的機能発揮対策交付金」の対象事業にも選ばれた。
ボランティア募集 ぽんぽこ山のメンバーは毎週金、土曜日に作業を行っており、1日体験のボランティアも募っている。申し込みや問い合わせは、上村さん(0598・51・3741、uemuram@mctv.ne.jp)へ。
(2013年10月11日 読売新聞)