富山県氷見市パークゴルフ協会が、来年度から新市庁舎となる旧有磯高校(鞍川)の敷地に植えられた二百本余りの木を、同市大浦の市営氷見運動公園内のパークゴルフ場に移植している。木は校舎棟の解体に伴い伐採される予定だったが、会員らが「立派な木を残したい」とボランティアで作業に励み、今月中に移し終える予定。(西山輝一)
敷地内には、五葉松やハナミズキ、サザンカなどの木が植えられている。来年度から市庁舎が体育館に移転することが決まっており、校舎棟は一部を除き解体して駐車場に。校舎棟周辺の木々も伐採する予定だった。
移植を提案したのは会員の浜井祐雄さん(72)。今月中旬に伐採の計画を知り「長年かけて育った木を切るのはもったいない」と市に働きかけ、近く解体工事が始まるため、二十四日から作業を始めた。
浜井さんの知人らがトラックや重機を使って、毎日二十人ほどの会員が汗を流す。木の根元をスコップで掘り、根っこと周りの土をむしろで巻く「根巻き」をした後、トラックで二・五キロ離れたパークゴルフ場に運び、これまでに百本余りを植え替えた。
協会の鎌仲一雄副会長は「移植によって木が生き続けることができ、パークゴルフ場の景観も良くなる。しっかりと根付くよう会員で手入れをしたい」と話している。