2013年6月24日
愛知県で生まれた「組手什(くでじゅう)」という名の組み立て部材の生産が全国に広がり始めた。原料は地元の端材や間伐材。使い方に合わせて自分で組み立てられるキットに加工することで、木を使った暮らしを身近にした。東日本大震災の被災地・宮城県でも生産が始まり、避難所や仮設住宅で使われた。復興で新築された同県名取市図書館の書架はすべて組手什で作られた。
「避難所のついたては、いろいろな物が使われた。けれども棚にもなり、仮設住宅、その後ついのすみかへ移るたびに自分たちの手でばらし、住宅に合ったサイズにできるのは組手什しかなかった」
登米町(とよままち)森林組合(宮城県登米(とめ)市)の竹中雅治さん(46)は振り返る。東日本大震災直後、避難所のプライバシー確保のために使ってもらおうと、組手什を製作、販売していた愛知県と鳥取県から、宮城県と岩手県の避難所に寄贈された。国土緑化推進機構の復興支援として資金が得られた。
同組合は当初、組手什の配布や組み立てを手伝い、二〇一一年六月ごろには現地で間伐材を使って生産を始めた。「間伐材の有効利用は震災前から課題だった。寄贈を受け、被災地ではかなり認知され、売ってないの、という声があった」。昨夏からネットショップを通じて通信販売を始め、売れ行きは好調という。
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