常陸大宮市、間伐材から木質チップ 森林荒廃防止に一役

2013年6月6日

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製造施設今秋着工
常陸大宮市は間伐材などの林地残材を有効活用するため、木質バイオマスチップの製造に乗り出す。当面は市営の温泉温浴3施設の燃料として利用し、林業の活性化と温室効果ガス排出削減を狙うとともに、市域の約6割を占める森林の荒廃防止につなげたい考えだ。自治体が木質バイオマスチップの製造を始めるのは、県内で初めて。

計画によると、市内美和地区に最大約6千立方メートルの木材を保管できるチップ製造施設を今年秋にも着工し、2014年度中の供給開始を目指す。当初は同市氷之沢の市営温泉温浴施設「ささの湯」の燃料として重油と併用する。ささの湯にはチップを使えるバイオマスボイラーを併せて整備する。

チップ利用は同市諸沢の「三太の湯」、長倉の「四季彩館」へと順次拡大。温泉温浴施設の燃料の8割程度を木質チップで賄いたい考えで、3施設で年間計約1350トン、約2560立方メートルの残材利用を見込んでいる。

将来は市外の発電施設への供給を含め、約1700トン、約3300立方メートルの林地残材を有効活用していきたいとしている。

市は2009年にバイオマスタウン構想を公表し、豊富な森林資源や未利用バイオマスの活用を推進するなど、環境にやさしい街づくりを進めてきた。

市農林課は「チップ製造により、森林の荒廃を防ぐとともに地域の発展を図っていきたい」と話している。

同市美和地区では昨年から、地元住民によって林地残材の有効活用による地域活性化事業「木の駅プロジェクト美和」も始まっている。

茨城新聞


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