糸島型森林再生プロジェクト:間伐材を買い取り板材・チップで販売 10月スタート /福岡

2013年03月26日

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糸島市は、伐採後放置されている間伐材を販売することで、森林を再生させる「糸島型森林再生プロジェクト」を今年10月からスタートさせる。間伐材などを買い取る「貯木場」開設など関連予算約3000万円を新年度予算案に計上、板材や燃料用などのチップとして売り込む。

 市は、戦後植林された杉やヒノキが40〜60年経過し、伐採時期に来ていることもあり、プロジェクトを発足させた。

 市の杉、ヒノキなどの人工林約6000ヘクタールのうち、60%が手入れされておらず、ここ3年間で780ヘクタールが間伐されたが、搬出された間伐材は26ヘクタール(3・3%)分だけ。他は伐採後放置されたままだ。

 国は11年度から搬出計画のない間伐には助成しない方針で、ただでさえ整備が進まない森林は更に荒れてしまう。そこで市が参考にしたのが、高知県仁淀川町で始まった「木の駅プロジェクト」。間伐材などを「木の駅」で買い取り、地域通貨で支払う。

 糸島市の計画は、現金と地域通貨を絡ませたもので、角材や張り合わせ材を1立方メートルあたり6000〜8000円▽端材や根元材を1トンあたり3000円プラス搬出補助金(eチケット)で、貯木場が買い取る。補助金は1トンあたり3000円でeチケットは地元物産直売所などで利用できる。

 市農林土木課は「市内で林業に携わるのは3人だけ。このプロジェクトでもっと林業者を増やし、森林保全を進めたい」と話している。【竹田定倫】

毎日新聞


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