2012年9月20日
霧島山中央部に位置する新燃岳(しんもえだけ)の西約5キロ。霧島温泉郷の原生林を巡る「丸尾自然探勝路」に足を踏み入れると、モミやタブなど樹齢200年以上の大木が生い茂り、至る所で木漏れ日が弾け躍っていた。
「森林のリラックス効果は高い。無理せずゆっくりと、自然を味わってくださいね」
「霧島市ふるさとガイドクラブ」の斎野耕一郎さん(75)から、アドバイスを受ける。探勝路は「森林セラピーロード」と名付けられ、癒やしを求めて訪れる人が増えているという。
「キョロロロロ……」「キコ、キコ、キィー」。アカショウビンやイカルをはじめ、様々な野鳥の鳴き声が重なり、まるで多声合唱のよう。木々の香り、幹の感触……。五感で自然と触れ合い、心身が解き放たれていく。
途中には、約200年前に見つかった霧島最古の岩風呂もある。その近くを勢いよく流れる川にかかる木の橋から眺める絶景に、目を奪われた。