松枯れは害虫への過敏反応…森林総研チーム解明

2012年3月18日
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松林を一斉に枯らす「松くい虫被害」は、人間の花粉症のように松が害虫に過敏に
反応して起こることを、森林総合研究所のチームが突き止めた。
松枯れの仕組みを遺伝子レベルで解明した初めての研究で、英国の植物学専門誌に
掲載された。松枯れは体長1ミリほどのマツノザイセンチュウ(線虫)が原因で、全国で被害が拡大。
チームはクロマツに傷を付けて線虫1万匹を流し込み、木の反応を調べた結果、線
虫を入れた翌日から、自分の細胞を殺す働きを持つ遺伝子が多数働いていることが確認
された。
細菌などの侵入を防いで身を守る反応だが、過剰に自分の細胞を殺し、急激に木が
弱ってしまうとみられる。抵抗力のある品種ではこの遺伝子は弱い品種の半分程度しか働
かず、線虫に対抗して細胞の壁を厚くする遺伝子が検出された。同研究所林木育種セン
ターの渡辺敦史・基盤技術研究室長は「研究を発展させ、松くい虫に強い遺伝子が見つか
れば、品種を確実に選別できる」と話している。
読売新聞


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