丹沢の間伐材で平塚の海を豊かに―。平塚市漁業協同組合(後藤勇組合長、46組合員)は22日、丹沢の間伐材のヒノキを譲り受けるなどして製作した間伐材魚礁を初めて平塚沖に設置した。平塚の海は砂の海底がなだらかに続き天然魚礁が存在せず、魚種も限られている。漁協では「自然物の魚礁はそれ自体が餌になり生態系を豊かにする。タイやイセエビなど多くの魚介が育ってくれれば」と期待を込めている。
間伐材魚礁は、秦野市蓑毛の浅間山で間伐されたヒノキ(長さ3メートル)11本と、平塚市虹ケ浜の湘南海岸砂防林で台風で倒れたマツ(同)12本を譲り受けて活用。組合員が23本を七つの束にし、ブロックを取り付けて魚礁に作り上げた。県、平塚市などの協力、支援を受けた取り組みだ。
同日は、同市虹ケ浜沖1・6キロの海上まで2隻の漁船で運び、水深40メートルの海底に沈めた。
間伐材による魚礁は、コンクリートなどの魚礁と違い費用がかからない上に、木はキクイムシ、フナクイムシなどの餌になる。それらを狙って魚などが一層増えることが期待されている。小田原沖でも「立木礁」として試みられ、魚が付いたことが確認されているという。また、間伐材の活用は、山の手入れを支援することにもなり、「山も海も豊かにする試み」(平塚市農水産課)だ。
平塚沖では初の試みで、木を束にするなど木の量を増やした。水中カメラで継続的に魚の付き方などを調査し、必要に応じて間伐材魚礁を追加していくとしている。
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