北海道しごと図鑑:森林セラピーガイド 「自然との共生」伝え /北海道

2012年2月27日 
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「立ち止まって目を閉じてください。森の中って意外といろいろな音が聞こえるでしょ」。遠くで鳴く鳥のさえずりや、川底を流れる水のせせらぎ。雪に覆われた冬でも、森はにぎやかだった。

 上野真司さん(40)は「ランプの宿 森つべつ」(津別町)の支配人をしつつ「森林セラピーガイド」を務める。健康増進や病気予防などに効果があるとされる森林浴のアドバイザーで、NPO法人「森林セラピーソサエティ」(東京)が認定する資格だ。

 大学生の頃にバイクで道内を巡り、自然の豊かさに魅了された。卒業し保険会社に入ったが、北海道を訪れるうちに、ここで自然体験学校を開けないかと考えるようになった。09年秋、宿の指定管理者になることが決まっていた会社社長から、再開に向けた支配人就任を打診され、横浜からの移住を決意。宿は10年4月にオープンし、半年後にガイドの資格を取得した。

 津別は同法人が指定した国内44カ所の森林セラピー基地の一つ。上野さんは事業を本格化するため、4月に仲間と一緒にNPO法人「森のこだま」を設立する予定だ。

 「森ではさまざまな生物が関わりながら生きている。人間も自然の中に組み込まれ、自然と共生しているということを、森は教えてくれます」【写真・文、貝塚太一】

毎日新聞 


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