林野庁、職員に官民癒着調査

2011年12月28日
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林野庁が5月、全国の森林管理局職員を対象に、業者との癒着などについてアン
ケートした結果が27日、中国新聞の情報公開請求で分かった。「業者と一緒に酒を
飲み、酒の差し入れもある」「OBから圧力がかかった」などの記述もあった。同
庁は入札に絡み「事業者からの不当な働きかけは全局的にある」と分析している。

 同庁では8月以降、広島森林管理署(広島市中区)発注の入札に絡む汚職事件で
職員3人が逮捕、起訴されている。アンケート結果からは、全国規模での官民癒着
の疑いが浮き彫りとなった。

 アンケートは全国7管理局の管理職や森林官ら3901人に実施。同庁での入札
監視や綱紀保持の状況について、自由記述を中心に回答を得た。

 同庁が2007年の一般競争入札導入時に強化した綱紀保持の取り組みについて
は、7割の職員が「効果が出ている」と回答。一方で「OBを伴った業者は黙って
事務室内に入る」「OBから圧力がかかった」などの記述がみられたという。

 さらに「業者と一緒に酒を飲み、酒の差し入れもある」「予定価格が漏れている
と感じる」「業者内での談合は必要。安く落札してもらうより、安全に良い仕事を
してもらう方がよい」などの回答もあったという。

 同庁は入札情報漏えいや談合は「ほとんどの者が見聞きしたことがないとの回答
(だった)」とした上で、「事業者からの不当な働きかけは、少数ながら全局的に
あると推測される」と分析した。

 同庁林政課契約適正化監査室は「アンケートは広島森林管理署の事件とは関係な
いが、結果を参考に入札監視体制などを強化したい」している。

中國新聞


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