あしたへ<3>「エネルギー 地産地消で」 バイオマス普及支援に取り組む

2012年1月4日
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秩父路に通じる正丸峠に近い飯能市上名栗の山中。傾斜三〇度以上の急斜面を、長
さ二十メートルものヒノキの伐採木が、はいながらゆっくりと下る。ヒノキを動か
しているのは、小型モーターで駆動するループ状の鎖。「なかなかうまくいってい
るな」。ヘルメット姿の年配の男たちが、ほほ笑んだ。

 伐採木が放置され、国内の山林荒廃が進む中、東京都港区の認定NPO法人「蔵
前バイオマスエネルギー技術サポートネットワーク」(K-BETS)は、最大五
百万円と小さい設備投資で済む、鎖を使った集材方法を考案。数年前から駿河台大
学(飯能市)の協力を得て山林を借り、実験を重ねている。

 K-BETSは二〇〇六年、東京工業大学の同窓会が中核となって発足。主要メ
ンバーは十数人で、平均年齢は七十歳を超える。製紙業、石油・天然ガス設備
業、輸送機器製造業、大手ゼネコン、商社など、日本の経済成長を支えた中核企業
の経営陣も務めた技術者OBがずらりとそろう。

東京新聞


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