鹿皮、間伐材でバグパイプ 市内演奏家と独在住職人が製作へ

2011/11/10
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札幌市内のバグパイプ奏者らが「道産バグパイプ普及プロジェクト」として、エゾシカの皮と間伐材を使ったバグパイプの製作に乗り出した。8日はドイツ在住の楽器職人とともにエゾシカ協会などを訪ね、原材料の調査や調達を行った。

 「プロジェクト」はフランス伝統のバグパイプ「キャブレット」奏者で、今春、道教大岩見沢校に入学した長嶺久美子さん(46)が発案。今夏、ドイツ在住のバグパイプ職人、薗田徹さん(45)=兵庫県出身=と道外のイベントで出会い意気投合した。

 バグパイプは、牛や羊などの皮でできた袋と木製の笛からなる欧州の民族楽器。材質や音色は地域ごと異なるが、いずれもその土地で豊富に生産される動物の皮や木材が使われる。

 長嶺さんたちが着目したのは、道内では駆除の対象となり、道などが活用に力を入れているエゾシカの皮と、間伐材。8日は中央区のエゾシカ協会事務局で捕獲状況や加工方法などを教わり、試作用の皮も無償で譲り受けた。また、市内の木工工房では、木材調達の打ち合わせを行った。

 薗田さんは「バグパイプは元来、リサイクルから生まれた楽器。素材に恵まれた北海道は『宝の山』です」。長嶺さんも「道産の楽器として、観光や教育分野でも活用が期待できる。どんな音色になるのか、今から楽しみ」と語る。試作器は来年5月ごろ完成予定という。(佐野智子)

北海道新聞


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