2011/06/02
これまで、われわれはどれだけエネルギーに関心を持っていただろうか。筆者自身、環境の仕事をしていながら毎日使うパソコンや携帯電話のエネルギーが実は福島から来ていた、など考えたこともなかった。エネルギーは「いつも使えて当たり前」のものだった。
しかし、東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故は、食料、水、空気、そしてエネルギーといったわれわれの生活を支える「当たり前」のものの安全性・信頼性を揺るがし、これまでの常識は大きく変わった。
たとえばエネルギーでは石油の代替として積極的に推進されてきた原子力発電は今後、見直しの議論が加速するだろう。
すでに世界では、新興国の経済発展による石油の需要増や、中東など特定地域へのエネルギー依存、さらにCO2排出増に伴う地球温暖化問題をはじめエネルギーは大きな問題として考えられている。この解決策の1つとして太陽光、風力、地熱といった再生可能エネルギー(表参照)が将来有望なエネルギーとして注目され、さまざまな投資が行われて拡大を続けている。
(出所)NEDO「新エネルギーガイドブック2008」、エネルギー環境教育情報センターより作成
ただ、日本ではこうした再生可能エネルギーの活用は十分に進んでいるとはいえない。
だが、原子力の将来の利用が不透明になった現在、再生可能エネルギーは不可欠であるとともに、大きなビジネスチャンスにもなりうる。
この連載では、日本全体のエネルギー戦略の方向性と、民間の力を生かす再生可能エネルギー(表の赤枠内が主な対象)拡大に向けた現実的な道筋を検討していきたい。
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