佐賀県がCO2排出権取引 売り上げで森林保全

2011年05月09日

 佐賀県は、多良岳や嬉野市の県有林の間伐で増える二酸化炭素(CO2)の吸収量を、排出権として企業に販売する「オフセット・クレジット」事業を始める。売り上げは、県内の別の森林の間伐費用にあてる考えで、森の再生を通じて地球温暖化防止に取り組んでいく。
 
 オフセット・クレジットは、CO2など温室効果ガスの排出量を減らす取り組みの一つ。森林保全や自然エネルギー導入、省エネなどで減らしたCO2の排出量を、生産活動で大量に排出する企業などに販売し、CO2の量をオフセット(相殺)する仕組み。環境省は取引を活性化するため、2008年に認証制度をスタートしている。
 
 県は多良岳や嬉野市の県有林計119ヘクタールを10、11年度の2年間で間伐。環境省の審査と認証を受けた後、12年度から排出権として販売する。間伐によって、残った樹木は太陽光が差し込んで成長し、より多くのCO2を吸収するとされており、875トン分の吸収量を440万円前後で販売する。
 
 県は08年度から森林環境税を導入し、森林保全に取り組んでいるが、手つかずの人工林も多い。県森林整備課は「多良岳・有明海の森間伐促進プロジェクト」と名付け、県内外の企業に広く協力を呼びかける考えで、「有明海を守っている森のために、企業の理解を得たい」と話す。
 
 CO2排出の法的規制はまだ始まっていないが、CSR(社会的責任)として環境活動に熱心な企業と取引する自治体も増えており、JR東日本グループの商業施設「ルミネ」に排出権を売却した高知県、音楽家坂本龍一氏が代表を務める社団法人を通じて企業と排出権取引を行う熊本県小国町などの事例がある。
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2011年05月09日 佐賀新聞


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