京都市伏見区の伏見工業高の生徒が北区小野郷地域の住民の協力を得て、北山杉の間伐材を使って水車を作り上げた。この水車の発電で地域の岩戸落葉神社をライトアップし、約2000個のLEDの明かりが、境内の舞台を青く照らしている。
同高では、環境や資源、自然エネルギーについて学んでいる。水力について研究するシステム工学科工学探究コースの3年生5人が、京都精華大との高大連携授業で取り組んだ。
5人は水車の発電量などを調べるため実験場所を探していたが、河川は制約が多く、なかなか適した場所が見つからなかった。水車の話を聞きつけた小野郷地域まちづくり推進委員会から「神社のライトアップの時期に合わせて実験しないか」と声がかかった。
同委員会が材料の北山杉を提供し、実験に必要なわき水を引き込む水路も用意した。生徒も4月に下見に行き、ミニチュア模型を作るなどして設計に取りかかり、9月から実際に水車を作り始めた。
水車の高さは1メートル30センチで、6日に現地に設置した。同高の足立善彦教諭(57)は「地域の協力でここまでこぎつけられた。小野郷は過疎化が進む地域なので、多くの人が訪れ、地域が活気づけばうれしい」と話していた。
ライトアップは14日まで。午後5時~8時ごろ。14日には地元の実行委員会が樹齢350年のイチョウを照らすライトアップもある。