多彩な実用品・玩具に加工 県産間伐材、利用促進事業が奏功 【徳島】

200_jxSfCXkb間伐材を使い、徳島県内で多彩な実用品やおもちゃなどが生み出されている。県の利用促進事業で生産量が増え、無駄なく加工できる仕組みが整ったことが大きい。間伐材を使った製品の広がりを知ってもらおうと、徳島市立木工会館で「間伐材の作品展」が開かれており、主婦らの注目を集めている。

作品展では、県内の林業関係3団体と工芸作家3人がスギ、ヒノキの県産間伐材を使って仕上げた約280点が展示されている。

吉野川流域林業活性化センター(三好市)は車や犬の木型に車輪を取り付けたおもちゃ、完成すると恐竜の形になる木製パズルなどを出品している。子どもが喜びそうなデザインが特徴で、同市山城町の間伐材を使っている。

郵便受け、コースターなどを出品しているのは、つるぎ町一宇赤松の木工作家横井健治さん(62)。くぎや塗料をなるべく使わず、木の肌触りや香りが残るようにこだわった。館内にはこのほか、木棚やコルクボード、動物や食べ物の形をしたマグネット、果汁絞り器、包丁入れ、鍋置きなどがずらりと並ぶ。

徳島県内の2013年度の間伐材生産量は10万503立方メートル。森林整備や木材産業の振興のため、県が05年度に間伐用の高性能林業機械を導入する森林組合などに助成金を交付するようになってから、ほぼ右肩上がりで増え続けている。

木材加工業者に対しても同年度以降、木の部位や形状に合わせて無駄なく加工できる機材の購入を支援。間伐材の加工量が増え、柱や家具製造に限られていた用途が広がった。

徳島市地場産業振興協会の上杉和夫理事長は「間伐は森林の育成や土砂災害の防止に効果がある。利用を消費者に呼び掛けたい」と話している。作品展は8日まで。

【写真説明】間伐材を使った実用品などが並ぶ作品展=徳島市立木工会館

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