日本の林業を救うのは女子!?

b_06373498本格的な秋を迎え、山や森へのハイキングを計画している人も多いのでは?緑の中での山歩きは格別だが実は日本の森林は今、危機的な状況に陥っているという。伐採が進まず、荒廃の一途(いっと)をたどる森を立て直そうと、各地で立ち上がったのが“林業女子”だ。農業に関心が高いノギャル、漁業を応援するウギャルに続く、新たな女子の顔となりそうだ。

千葉県市原市の森を活動拠点としているのが、林業女子会@東京。昨年10月から2カ月に一度程度のペースで森での活動を行っている。内容は下草刈り、木の切り倒し、苗木植えなどから、切った木を使ったテーブル作りや、竹を使った楽器作りなど、女子らしい活動も取り入れている。

幹事の杉山沙織さんによると、現在は常時15人程度が参加、多い時は40人ほど集まることもあるという。杉山さん自身は大学院で環境を学ぶ流れからこの会に参加したそうだが、山ガールや森ガールのように「単純に自然が好き」という人も大勢いる。「活動を知るとやってみたい!と興味を示す女子は本当に多い」(杉山さん)そうだ。

だからといって趣味でくくってしまうには、あまりにも本格的。実は市原の森林では以前、溝腐れ病という木の病気がはやってしまい、地元の林業家たちもお手上げとなったフィールドがあったが、林業女子会@東京では、その地域でも森を再生させる活動を行っている。

「プロの林業家の人たちが諦(あきら)めた森を何とかしよう、と頑張ることが面白い」と杉山さん。女子が持つ明るさとパワーが林業界に新風を吹き込んでいる。このような女性組織は京都、静岡などにもあり、年々広がりを見せているようだ。

一方、国でも日本の森を守るため、4月から「木材利用ポイント」事業を開始。これは以前の家電エコポイントと同様で、対象工法、対象樹種を使った住宅、リフォーム、家具などを購入するとそれにあったポイントが付与され、商品券や農山漁村地域の体験型旅行などに代えられる。消費者、林業関係者の国産材への関心を高めることが狙いだ。

林業女子会のように木と触れ合うもよし、木材利用ポイントを狙って国産材の消費に貢献するもよし。自分にあった形で日本の緑に貢献してみてはどうだろうか。

デイリースポーツ