間伐材集めよさこいへ

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チームの宝は人と自然――。高岡郡梼原町の町民らでつくる鳴子踊りチーム「梼原」が、地域に根差した取り組みで、よさこい祭りに参加する資金を調達している。このほど、山林の持ち主が提供した杉の間伐材を集め、同町のペレット工場へ売却した。地域の協力に支えられていることを実感するメンバーは「祭りがますます楽しみ」と意欲を新たにしている。
 同チームは、2003年から祭りに毎年出場。約130人の踊り子、スタッフは小学校低学年から50代までと年齢層も幅広い。毎年の費用は地方車の制作費や移動バスチャーター代、衣装代などに480万円近く。約200万円をチーム参加者から集め、残りは町民らの寄付で賄ってきた。
 町に伝わる津野山神楽をモチーフにした衣装や踊りが特徴で、06年に全国大会・後夜祭に初出場し、ペギー葉山賞を獲得。07年には審査員特別賞を受賞した。
 チームの成長でメンバーの意識も変化。「梼原を誇りに思う踊り子の笑顔が売りだったが、最近は賞を取るため笑顔をつくるようになっていないか」「審査員ではなく、地域住民に見せる踊りを」。昨年ごろからそんな議論も交わされるようになったという。
 こうして課題の資金繰りも「少しでも自分たちで稼ごう」と議論。間伐材集めは今年3月ごろ、メンバーで町役場職員の立道斉さん(34)が「参加者が町民の生活を支える木材やペレットのことを知り、チームがたくさんの協力者に支えられていることを実感できるのでは」と提案し、同町下折渡の山林の持ち主が、運び出し前の間伐材提供を快諾。メンバー8人が19日、雨の中で作業した。
 雨がっぱに軍手姿のメンバーは、山道に転がる間伐材を重そうに抱えてトラックに運搬。今年祭りに初参加という梼原高1年の藤井里以矢(りいや)君(15)は、一抱えほどある丸太を持ちながら「この材木が地方車や衣装になると思うと、祭りがますます楽しみです」と笑顔だった。
 集めた間伐材は約2・6トンで、1万4千円で同工場に売却。立道さんは「額は小さいが、地域住民の協力とメンバーの頑張りで稼いだお金なので大切に使いたい」と話していた。


高知新聞(2010.6.23)より抜粋


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