社会 : 伊那で森林保全学ぶ 都立高2校目奉仕合宿

2012-10-25

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NPO法人伊那谷森と人を結ぶ協議会(稲辺謙次郎理事長)と今年6月に「森林の里親協定」を調印した都立葛飾野高校は24日から3日間、伊那市内で森林保全奉仕合宿を行っている。都会の高校生が間伐などを体験する試みで、先行する都立北園高校に続いて2校目。森林整備の地域課題を教育に活用する取り組みが広がりをみせている。

都立高校で必修化された科目「奉仕」の一環で、自然と触れ合いながら環境問題や生物多様性を学ぶ機会を―と、今年から始めた合宿。すでに市内で奉仕合宿を行う北園高校の先行事例に学んだ。1年生320人が参加した。

多くの森林が間伐されずに荒れ、動物の生息域も拡大している―と、事前に学んできた生徒たち。まずは同市長谷の鹿嶺高原で、実際の間伐や林地残材の搬出作業に汗を流した。上伊那林産協同組合が寄贈したモミジの苗木75本も成長を願って植樹した。

青木彩葉さん(16)と赤間エリさん(16)は初めての間伐に取り組み、「木ってすごく力強い。切るのは本当に大変」と驚きの声。「植林した昔の人もだけど、今の私たちが手入れをすることも大事だと思う。東京からもっと来て体験すべき」と話した。

稲辺理事長(68)は「遠くから見たら美しい山も、実際に入って近くで見るといろんな問題を抱えている。どうすれば、そのギャップを縮められるのか。都会の若者にも考えてもらいたい」と話した。

生徒たちは2泊3日で市内に滞在し、ますみケ丘でクマの生息域と小学校との緩衝帯整備に取り組んだり、炭焼きや草木染め、木製チップ敷きなど、さまざまな角度から森林保全について学習する。

長野日報ニュース


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