木の駅プロジェクト 辰野の間伐材、地域通貨で買い取り

06月22日(金)
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 辰野町沢底区の住民らが、山林から間伐材を運び込む「駅」を地元に設け、地域通貨で買い取り、まきにして売る「信州木の駅プロジェクト」を始める。地域通貨は賛同する商店で使え、まきの販売収入や協賛金で経費を賄う仕組み。放置された間伐材の利用を進め、地域活性化につなげる狙いで、7月に実行委員会を発足させる。

 「木の駅」は、森林の保護、育成をする矢作川水系森林ボランティア協議会の丹羽健司代表(58)=岐阜県恵那市=が、高知県のNPO法人の取り組みを参考に考案。鳥取県智頭町(ちづちょう)、愛知県豊田市などで導入されている。辰野町では「さわそこ里山資源を活用する会」が主導。同会事務局の有賀茂人さん(62)は丹羽さんと知り合いだ。

 計画によると、畑に木の駅を設置。カラマツ、アカマツなど針葉樹の間伐材を持ち込んでもらい、0・5立方メートルを3千円分の地域通貨で買い取る。駅で材を割って乾かし、まきに加工。地域通貨は木で作り、協賛した個人、企業などの名前を裏側に印刷する。本年度は60万円分を発行する予定だ。

 県上伊那地方事務所林務課によると、2011年度に管内の民有林で間伐された木材は推計約5万8千立方メートル。このうち搬出されたのは約21%にとどまった。木の駅について、同課は「需要と供給がしっかりしていないとうまくいかない。助言などをしていきたい」とする。

 有賀さんは「山の木は炭やまきに利用してきた。本来山は資源の宝庫。健康な山づくりについての考えが浸透していくといい」と話している。

信毎Web


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