高知県 森林との関わり、胸に刻む中学生

2012.2.18
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高知県を流れる四万十川の中流域に四万十町立昭和中学校がある。中山間地にある、
全校生徒数23人の同中学が続けているのが「地域に生きる学習」。総合学習を通じて、
地域の財産である森林と関わる教育だ。

昭和中のある旧十和村はかつて「林業の村」だった。切り出された材木はイカダに
組まれ、四万十川で運ばれた。だが今や林業は衰退。担い手も減った。

そうしたなか、同中学校では「炭焼き体験」や、グループ別に分かれ道なき道を
通って山頂を目指す「登山」など、
生徒に森林と関わり「山の暮らし」を体験させる取り組みを地道に続けている。
「間伐体験」もそのひとつだ。伸び放題のスギ林に生徒全員で入り、実際に間伐に挑む。
切り出した材木は学習机の天板に加工され、自分の机として卒業後も使い続ける。
山が豊かに栄えなければ、いずれ川は寂れ、海も廃れる。自然環境を守るためには人間が山の手入れを続け、
生かし続けなければならない。間伐はその大切な営みのひとつだ。
地元になじみ、学び、そして考える。卒業する生徒はほとんどが地元を離れていく。
地元を去っても、ふるさとをしっかりと胸に刻んでいてほしい。そんな地元の願いを踏まえた取り組みだ。

四国新聞社


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