明宝山里研究会「林業活性化」間伐材の薪など販売

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2011年10月21日 読売新聞
郡上市明宝地区で林業に従事する人たちの集まり「明宝山里研究会」は今月30日と11月6日、同市役所明宝庁舎前で、間伐材の原木や薪(まき)を販売する「めいほう里山もくもく市場」を開く。木材価格の低迷で林業に携わる人が減り、山が荒れる中、薪を販売してお金に換えることで、林業をもり立てようという狙い。同会の松山誠実・会長(60)は「山に眠る間伐材を有効活用できれば」と期待を込めて話している。(福島利之)

 山里研究会は、明宝地区の林業従事者や森林所有者ら11人が今年9月、「豊かな山の恵みと高齢者の知恵や技術を生かす仕組みを作ろう」と結成した。今回の取り組みは、その第1弾。間伐が行き届かず、放置された樹木を切り出して薪にし、主に都市に暮らす薪ストーブの利用者に販売する考えだ。

 県内の森林率は82%で、全国2位を誇るが、森林組合の作業員数は1980年の1904人から昨年の663人にまで落ち込んでいる。明宝地区でも1980年代に60人いた林業従事者は現在、半分程度に減り、高齢化も進む。それに伴い、切り捨てられた材木が放置されたままの山も増えているという。

 薪ストーブは、その柔らかな暖かさから、このところ静かなブームとなっており、同会によると、利用者は、郡上市だけでも100軒以上、県内では1000軒以上に上るとみられる。これに対して、薪を販売しているところは少ないといい、同会では十分、需要があるとみている。

 もくもく市場では、ヒノキやスギなどの原木や薪を通常の価格の半額程度で販売する。価格は1立方メートルあたり、薪の場合、スギは1万5000円、ヒノキは1万8000円。

 同会では、今回の試みでの反応が良ければ、定期的に薪を販売する仕組み作りに取り組む考えだ。同会の熊崎弘一・副会長(46)は「山の恵みを生かして小さなビジネスにすることで地域の活性化につながれば」としている。問い合わせは、明宝庁舎内の明宝山里研究会(0575・87・2211)。


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