不要な本売り、森づくり支援 大町の建設会社が取り組み

2011.03.10

大町市の建設会社「北陽建設」は、要らなくなった土木関係の専門書などを換金して森づくりに充てる取り組みを始める。伊那市のNPO法人「森のライフスタイル研究所」の企画に呼応し、県内では初参加。土砂崩落を防ぐのり面緑化工事など、同社の事業が森づくりにも関連することから、「社員の環境意識を高めたい」としている。

 「BOOK for FOREST」と名付けた同研究所の試みは2009年にスタート。インターネットで本の買い取り、販売を手掛ける書籍リサイクル会社「バリューブックス」(東京)に本を売り、手入れ不足の森林整備や植林に充てる。当面、小県郡長和町のスキー場跡地での植林を予定している。

 社会貢献活動として県内外の企業に呼び掛け、これまでに首都圏の7社が応じたという。北陽建設は、環境省の環境管理規格「エコアクション21」の認証取得に向けて省エネや廃棄物削減などの計画づくりを進める中で知り、参加することになった。

 4月以降、更新する専門書や各種資格取得の参考書などを集めるほか、約130人の社員からも不要本を募る。「こうした取り組みで地域貢献の幅を広げたい」と専務の曽根原好幸さん(60)。同研究所代表理事の竹垣英信さん(39)は「身近な本一つでも社会参加はできる。補助金だけに頼らない森づくりの一つの在り方を示したい」と話している。

< 信濃毎日新聞 2011.03.10.>

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