大北の林業家ら、一本ぞり講習会

2011.03.23

大北地方の若手林業家らでつくる大北林業研究グループが26日、昭和40年ごろまで木材の運び出しに使われた「一本ぞり」の講習会を北安曇郡白馬村の岩岳スキー場近くの山林で開いた。同郡小谷村の保存会のお年寄りも参加。雪深い土地柄を生かした先人の知恵に思いをはせた。

 一本ぞりはスノーボードのような木の横板に、L字形の荷台兼用の腕木を2本取り付け、伐採木を積んで横滑りの要領で斜面を下る。明治時代に石川県で考案され、昭和初期に小谷、白馬に伝わったという。

 この日は4台の一本ぞりを持ち込み、保存会員らのアドバイスを受けて操作を体験。その場で伐採したナラを積み、横板のエッジを利かせたり、左右に振ったりしながら数十メートル下ろした。白馬村の薬剤師山本拓真さん(28)は「本当にスノーボードの要領と同じ」と、合理的な仕組みに感心していた。

< 信濃毎日新聞2011.03.21.>s


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