見て、聞いて、触って、香って「森」の今を知る

六本木で森を感じる。東京・六本木のアクシスビルにて「more trees展 森を感じる12日間」が開催されている。これは、森林再生プロジェクトなどに取り組むmore treesとアクシスギャラリーの共同企画による展覧会だ。

 「間伐材に新しい価値を与えること」をモットーに、伐採後の使い道を探っている間伐材を用いた新しいプロダクトを提案する。昨年の鳩時計のプロジェクトでmore treesという名前を覚えている人もいるだろう。
chn11_rpt23967_1101_AXIS_01_112
 余剰する間伐材の問題は深刻だ。日本は、国土の67.3%(林野庁調べ)が森に覆われているが、そのうちの約40%が木材用に植えられた人工林である。これは、戦後の拡大造林政策に基づいて植えられたもので、樹木の種類はスギ、ヒノキ、カラマツといった針葉樹だ。毎年、花粉の季節になると、その問題は取り沙汰されているが、問題は花粉だけではない。人工林は、人の手による管理が必要とされる。下草刈り、間伐、枝打ちといった作業だ。木に十分に栄養が行き渡るよう、太陽の光が地表まであたるよう木を間引く、これは森を保つために必要な作業である。

 間伐材を木材として利用するのは、森にとっても人にとっても大切なことで、そうして循環が保たれるわけである。しかし資料によると、現在の国内の木材自給率は27.8%(もしくは約28%)なのだという。海外から安価でクオリティの高い木材が輸入されることなどで、市場競争力が低下してしまったことが原因だ。国内林業は衰退の一途をたどっている。

 そこでmore treesは、間伐材を有効に活用するため国内の間伐材を用いたプロダクトを提案。まずは、日本のものづくりを支えているデザイナーや建築家、アーティストに日本の森の現状について知ってもらい、作品やプロダクトを通して多くの人に知ってもらおうという試みである。

続きはこちら
<ecite.ism(2010.11.03)>


タグ: , ,