間伐材を利用して棚 智頭町と地元企業などが商品化

OSK201010260102森林を守ろうと智頭町と地元企業などが間伐材を生かした棚を商品化した。売り上げの一部は、間伐材を地元のみで通用する地域通貨に換金する試み「木の宿場(やど)」活動に助成する。

 棚の名は「組手什(くでじゅう)」。長さ2メートル、幅3.9センチ、厚さ1.5センチの木に8センチ間隔でへこみがあり、つなぎ合わせて組み立てると様々な形の棚が作れる。NPO法人「賀露おやじの会」(鳥取市)が考案し、町の製材所や加工所の協力で商品化した。賀露おやじの会のホームページ「http://web.karooyaji.org/」で1セット(20本入り)1万円で販売している。

 売り上げの一部(5%)は町や住民らが進める「木の宿場」活動に助成する。山林の持ち主が間伐材を町の保管所に持ち込めば、1トン当たり6千円分の地域通貨「杉小判」と交換する。杉小判は町の飲食店や書店で使えるので伐採の動機付けになる。間伐材は県外の業者に販売する。現在50~60トンが集まっている。

 寺谷誠一郎町長は「町の93%は森林で占められているのに安価な外国産の木材に押され、住民は自分の森林に興味を持たず間伐もしなくなった」と言い、「組手什や木の宿場を通じて、住民がもっと森に目を向けることを期待している」と語った。

 賀露おやじの会の藤田充理事長は「組手什はアイデア次第で色々な棚を作ることが出来る。軌道に乗れば、木の宿場活動の助けにもなって良いことずくめ。森を守る起爆剤になれば」と話した。

 問い合わせは賀露おやじの会(0857.28.8857)へ。(倉富竜太)
<asahi.com(2010.10.27)>


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