2012年12月22日
間伐材など国産の木材で作られたおもちゃや生活道具を普及させようという取り組みが広がっている。
新生児に贈る自治体が増えているほか、おもちゃ専門のネットショップなども取り扱いに力を入れている。
国産材の需要増加や地域振興につなげたいとの狙いもある。
「東京おもちゃ美術館」の運営などに携わるNPO法人、日本グッド・トイ委員会が提唱し、国産材で作ったおもちゃを自治体が新生児に贈る活動「ウッドスタート」が昨年度から始まっている。東京都新宿区や岐阜県美濃市など3区市が参加し、来年度からは全国の計7市区町村で実施される。
「子どもたちに木のぬくもりを身近に感じてもらえるだけでなく、間伐材を使って地元の職人におもちゃを作ってもらうことで、地場産品の振興や森林の再生につなげられれば」と同委員会の馬場清さん。新宿区は、この事業に参加する長野県伊那市に、間伐材によるおもちゃ作りを委託している。
長男(1)の出産後におもちゃを同区から贈られた金森里奈さん(27)は「価格が高いこともあり、木のおもちゃを買う機会はなかなかない。手になじむのか、子どももよく遊んでいます」と喜ぶ。
木製品を贈る取り組みはほかにもあり、北海道の4町は道産材を使った子ども用いすを新生児に贈呈。長野県松本市は木のスプーンを贈る。
国産材のおもちゃの取り扱いに力を入れるネットショップもある。「ポプリの森」(http://www.popuri-no-mori.com/)は各地の工房などと契約し、国産のブナ材の積み木などを扱う。木の質感を生かしたシンプルなものが多い。
「積み木やパズルなどの単純なおもちゃは、想像力や遊ぶ力を高めてくれるようです」とショップを運営する中島真さん。「日本の森林に思いを寄せるきっかけにもしてほしい」と話している。
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